対面であれ、電話を通じてであれ、接客業というのは見知らぬ相手と話をすることになるわけですから、よほど人好きでない限りは緊張も感じるでしょうし、そのままストレスに繋がることは当然の成り行きと言えます。
また昔に比べて接客業を含めたサービス業のサービス力が向上したというか、むしろ過剰になりすぎている傾向もあって、お客様側の視線がかなり上に行ってしまったということも否めません。これぐらいしてくれて当たり前という横柄な態度のお客様が増えているのもまた事実です。
ストレスを抱えながら笑顔を絶やさずに接客業をすることは、かなりの精神的負担です。少しでもこのストレスを軽減する方法があれば、多少なりとも楽しく仕事ができるかもしれません。では、接客業におけるストレス軽減の方法について追っていくことにしましょう。
接客業のストレスを軽減するための5つの方法
自分の目線を上に持っていく
決してお客様に対して横柄な態度をとりなさいということではありません。ちょっとした事でクレームをつけてくるお客様は、そういう心の狭い人なのだと割り切るのです。
人として未熟なのだから仕方ないのだと、温かい目線でお客様を心の中で見下ろしてあげながら、しっかりと接客をこなす。ちょっとひねくれた方法かもしれませんが、案外ストレスを抱えないで済むのは確かです。
別の自分になる
俳優や女優のようにはいかないかもしれませんが、接客業の自分を演じきるというのもストレス軽減につながる方法です。今このお客様に接しているのは本来の自分ではなく、別の自分。接客業という衣装をまとった自分が演じて対応している。そう割り切ってしまうのです。
演じている自分が被ったことは、真の自分には全く関係のないこと。そこまで開き直ってみると、客観的な接客ができるようになりますので、一石二鳥と言えるでしょう。
話し相手になる
電話で特に多いのですが、クレームは単なるきっかけでしかなく、お客様自体のストレスを発散したいだけというケースがあります。とにかく何か言いたくて仕方ない、たまたまそんな電話を受けてしまった時には気分が滅入ってしまうことでしょう。
でも、相手の話の腰を折らずに、しっかりと相槌をうってあげる、決して逆説的な言葉を用いることなく、相手の言っていることをちゃんと聞いていますよという念押しの意味もこめて復唱してあげる。
たったこれだけのことで、お客様の気分がスッキリすることがあるのです。聞かされるこちらはストレスが溜まるかもしれません。しかし、そういうお客様ほど最後は「こちらも言いすぎました」というような態度にコロッと変わることがあります。つまり、このお客様の役に立てたという実感を得ることで、自分のストレス軽減につなげてしまえばよいのです。
勿論お客様次第という部分もありますし、こちらの技量も必要ですので一筋縄ではいかないかもしれませんが、このテクニックを習得すると接客業としては大きな武器にもなります。
同調するようにする
話し相手になる以上に高等なテクニックが必要になるかもしれませんが、接客業が好きならばできることかもしれません。同調するというのはお客様の発する言葉に同調するという意味ですが、単にうんうんと頷くというだけではなく、お客様の目線ではこういうところが気になるのかという、自分自身をお客様目線に置き換えるための同調なのだと考えてください。
接客する立場では気づかなかったことを、接客される側に回ってみて教えてもらう。そういう感覚を身につけるのです。勿論、誰が聞いても理不尽な内容しか言っていないというお客様もいるでしょう。でも、自分の働く場所に対して意見を言ってくれるだけでも、実はありがたいことなのです。二度と来る気がないならば、そんな意見をいう必要もないわけです。もう一度来たいと思っているからあれこれ言ってくるわけです。
そこまで相手の意図を汲み取った気分で接客業を勤め上げれば、もうストレスが溜まるどころか全てが栄養剤になってしまいます。まぁ「理想論」止まりの話に過ぎないかもしれませんが、お客様の視点に立ってみるというのは重要なことだというのはおわかりいただけたのではないでしょうか。
上司を使う方法
ここまで書いてきたことは自分一人で対応するケースばかりです。しかし、自分一人で対応しきれないからストレスが溜まっていくわけです。程よく話を聞いたところで、先方が上の人間を出せと言う前に、こちらから上の者を呼びますのでと切り出すのもひとつの方法です。
クレームをつけたがる癖のある方は、その段階で対応している人間を自分と同等かそれ以下の感覚で捉えています。そこで、上司と呼ばれる立場の人間が出てくるとわかると、お客様も少し気まずい感じになります。そこまでしなくていいよという方もいらっしゃいますし、上司と話すことで納得される方もいます。
ケツを拭くのが上司の仕事ですから、どんどん利用すべきです。もっともハナから上司を呼ぶようなことはせず、自らファーストコンタクトをした上で、お客様の言い分をちゃんと報告して、対応をお願いするという段取りは踏むようにしてくださいね。
いかがでしたか?
接客業のストレス軽減ということで、働きながらいかにストレスを溜めないかという視点で話を進めていきました。仕事が終わってからのストレス発散も勿論大事ですが、それでは根本的な解決策にはならないのが悲しいところです。
接客をしながら同時にストレスを軽減、転換する方法を身につけて、接客業が心から楽しいと思いながら働いていただければ幸いです。
まとめ
接客業のストレスを軽減するための5つの方法
・自分の目線を上に持っていく
・別の自分になる
・話し相手になる
・同調するようにする
・上司を使う方法
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